松浦の待つ人来ぬと嘆きつつ 恨みつ恋ひしあだし君かな
照滴066
本文
松浦の待つ人来ぬと嘆きつつ 恨みつ恋ひしあだし君かな
形式
#短歌
カテゴリ
#6.情愛・人間関係
ラベル
#恋愛 #無常 #喜怒哀楽
キーワード
#松浦 #待つ人 #嘆き #恋し #あだし
要点
待ち人が来ないことを嘆きつつも、心の中では恋しさが募る。
現代語訳
人を待つという松浦で、あなたが来ないと嘆きながらも、恨みつつ恋しい、浮気な君よ。
注釈
あだし君:心変わりしやすい、浮気な存在としての恋愛対象
浦と恨みが掛詞。
解説
恋の虚空にて我れ歌詠むは君がため 何をかなさん ならで散るともと待つ苦しみ、無常感を情愛の中で描く。
深掘り_嵯峨
恋愛の情念と愛憎の葛藤を詠んだ歌です。「松浦」という叶わぬ恋の象徴を背景に、来ない人を「嘆きつつ」、心の中では「恨みつ恋ひし」という愛と憎しみが混ざり合った激しい感情に囚われています。煩悩の苦しみが、愛憎という最も激しい形で表現されています。